だんだんと日が伸び、そして暖かく(暑く?)なってきて、
気持ちもなんとなくぽかぽか暖かく、明るくなってきましたね。

しかし…過ごしやすい気候になると、多くの方が悩まされるのが、
『花粉』ではないでしょうか…。

わたしも、5年くらい前に花粉症と診断され、
なんの対策もせずにいると、
一日中目頭が痒い日々を送っています。

ただ、幸い(?)くしゃみや鼻水の症状は、そこまで酷くでていません。
花粉症診断を受けてから、
毎年実施している「オートファジー活性生活」が、その理由のひとつだと思います。
この記事でご紹介します。

 

◎そもそも花粉症はなぜ起こる?

まずは花粉症のメカニズムについて、おさらいします。

多くの方がご存知の通り、花粉症はアレルギー症状の一種です。
これは自分の中にある免疫細胞が、
自分自身の体内細胞を攻撃することで起こるものです。

本来、自身の身体を守るためにあるのが免疫細胞です。
自分の身体を攻撃し(敵だとみなし)、暴走する。
それが原因で、私たちをツラい目に合わせている、というメカニズムです。

では何故、そんなことが起こってしまうのでしょうか。

以下が最も有力な説です。

免疫細胞のおよそ7割が存在する『腸』の中で繰り返される「慢性的な」炎症、
そして、それに因る疲労が原因と知られています。

 

◎人体最大の免疫器官『腸』

腸は、人体最大の免疫器官とも言われています。
その粘膜に物理的・科学的にバリアを作って、
体内に入り込んでいる様々な細菌(や刺激)と触れないように距離を保っています。
その一方で、
細菌と食物残渣(食べかす)が出合って出来る、
人体に有益な酸(有機酸)を取り込んでいます。

どちらのはたらきも、バランスよく作用することで、体内の免疫を調整しています。
ところが、
ストレスや食事の乱れ、寝不足が続くことで、腸の動きが緩慢になります。

バリアを作ることや、有機酸の取り込み量が不足するというわけです。
当然ながら、免疫はうまく作用できなくなります。
免疫の作用が弱まると、悪循環が起こります。
腸全体の滞り(パワーが不足し)、粘膜に傷がついてしまいます。

この状態で、元に戻せすことができればいいのですが、
ケアをしないままだと、
未消化の食べ物や、アルコール等の粘膜にとっての刺激物が
触れることで傷ついた箇所の炎症に進むといわれています。

やがて、
その炎症部に、体内に入りこんだ細菌やウイルスがしみ込んでしまいます。
ましてや有益な酸が不足している状態です。

腸内の便は硬くなり(便秘の状態です)、炎症は慢性的になります。
慢性的に炎症がある腸は、免疫が作用しないどころか暴走をします。

結果として、アレルギーなどの慢性炎症疾患を悪化させます。

腸内で炎症が続くと、
免疫細胞の暴走が始まり、
体内が良くない状態になります。

だから、
腸炎症が進む前に炎症を抑え、
免疫が作用する状態に戻すケアが大切です。

なんとなくイメージ出来たでしょうか。

 

◎腸をケアする『腸活』のハナシ

ここからは荒れた腸をケアし、免疫を正常に作用させる話です。

ずばり、腸(やその周りの臓器)に休息時間を作ることがとても大切です。
それ以上に効果的な方法がないとも言えます。

しかしながら…
現代の私たちの腸は過剰な活動をしています。
ほとんどの方に当てはまるのが「過食」の状態だといわれています。

腸になったつもりで想像してみてください…
次々に送り込まれる食べ物たちを、分解したり吸収したり排泄に回したりしています。

食べ物の中には、
消化や分解が難しい添加物や、白砂糖や小麦といった、
日本人には本来分解や吸収がしづらい様々なものが含まれています。
(この辺りの話は、長くなるのでまた別の機会にお伝えさせてください)

体は、食事をしてから何時間もかけて、それを消化・分解・吸収しています。
胃で消化分解ができなかった食べかすは、全て腸にやってきます。
本来、腸は有益な酸を取り込むのが役目です。
現代では、消化や分解の役割を一部担わされ、
オーバーワークになっています。

人間生活でもオーバーワーク気味のときには、休暇が必要です。
腸にも、休息時間を作ることが必要です。

休息によって充分に機能を取り戻すことで、
腸本来の仕事(細菌と適度な距離を保ち、有機酸を程よく取り込むこと)を
してもらえるようになります。
腸本来の動きが適切な体では、免疫細胞が体内細胞を攻撃することはありません。
それどころか、内部から細胞が若返ります。
内臓脂肪が減ることで、外的にも肌ツヤも良くなります。

そして、その様な素敵な体内に成るために必要な休息というのが
「16時間空腹の状態をつくること」
だと言われています。

 

◎オートファジーのすすめ

さて…急に具体的な数字が出てきましたね。
16時間の空腹状態=つまりはプチ断食状態のこと。

これは断食にありがちな修行や我慢ではなく、
「腸(やその周りの臓器)に休息時間を作りましょう」という一つの考え方です。

休息させることで、
冒頭にでてきた「オートファジー」が活性化することがわかっています。

オートファジーとは、簡単に言うと、細胞の恒常性を保つ働きのことです。
(細胞のリサイクル作用と考えてもらうとわかりやすいと思います。)

体内にもともと備わっている機能で、平日でもゆるやかに働いていますが、
体が飢餓状態になると活発化するとされています。

その活性化する目安となる空腹状態が、
最後に固形物を食べてから16時間ほどで訪れるというわけです。

16時間空腹状態でいることで、
身体中の古い細胞細胞や老廃物や有害物質がかき集められます。

回収され分解され、新鮮な細胞に作り変わります。
結果として、腸内の細胞も新しくなり「本来の働きがし易い状態になる」というわけです。

本来の働きが「出来るようになる」ではなく
「し易い状態になる」と書いたのには理由があります。

もともとの腸の状態に拠って、本来の働きが出来るように回復する期間が異なるからです。

10日もしないうちにアレルギー症状の改善を感じられる方が居る一方で、
3ヶ月経っても変わり方が乏しい方も居ます。

加えて、オートファジー活性の効果は、腸内環境の改善に留まらないのです。

個人差はありますが、
物理的に体が軽くなったり、
肌艷がよくなったりします。

人によっては花粉症対策というより体調改善のために実施する方も居るくらいです。

体脂肪率が減る効果があるとも言われています。

そして、この効果は自浄作用です。
つまり花粉症の場合、薬を服用するタイミングを測る必要もありません。
副反応で眠たくなったりすることもありません。

わたしは、3〜4年程度、この16時間空腹生活を断続的に行っています。

おかげで花粉症とは言えど、
薬は飲んでいないですし、最近ではマスクなしでも外出できます。
子どもの頃から悩んでいたハウスダストのアレルギー症状(体の末端と顔が痒くて仕方ない症状)にも、ほぼ悩まなくなってきました。

 

◎今日からできる!オートファジー活性生活

16時間空腹時間の作り方ですが、厳密なきまりは「ない」です。
「その人がやりやすいと感じる時間を決めて」やればOKです。

16時間の中には睡眠時間も勿論含みますので、
ざっくりと
①朝ごはんを食べず、ランチと早めの夕飯をいただく
②朝昼を頂き、夕飯はパスして寝る
のどちらかのパターンになると思います。

【オートファジー生活の一例】
・朝7時に起きて、夜は24時すぎに就寝する生活リズム

①20時から翌12時の16時間の空腹時間
⇒12時過ぎにランチ、15時におやつ、19時前後に夕飯を頂く。
②15時から翌7時の16時間空腹時間
⇒7時半に朝ごはん、10時におやつ、13時頃遅めのランチを頂く。(ランチ後のスイーツもアリです。)

起床&就寝の時間によって、時間は前後するかと思いますが、
①のパターンは、仕事柄会食の機会が多い方や家族との団欒時間を大切にしたい方向け、
②は、ダイエットにも効果的、と言えそうです。

16時間以外の時間(8時間/日)は、
好きなものを食べて&飲んでOKです。
アルコールやカフェインの過剰な摂取や、食べられる時間に毎日ドカ食い…などは避けましょう!

まずは一週間、厳密にやりすぎなくても構いませんので、
オートファジーを活性化させてみてください。

いつもと少し違った空腹感をおぼえることで、
花粉症の緩和はモチロン、嬉しい変化があるかもしれません。

過ごしやすい春の時期のワクワクした気持ちを邪魔するアレルギー症状、
ほんの少しでも改善されたらうれしいです。
あなたが、腸内環境が調った状態で、楽しい毎日を過ごせますように。

 

SHRI YOGA SCHOOL 卒業生
Caori.
会社員(フルタイムワーカー)時々 ヨガインストラクター。
現代をラクに生きるために“生きる叡智としてのyoga”を、日々学び、お伝えしています。

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