RYT200を受講する前から興味のあった、
マタニティヨガ指導者養成講座(以下、マタニティヨガ講座と呼びます)を2023年夏に修了しました。

受講のきっかけは、
「妊娠~出産~子育てをする人を応援したい」という漠然とした想いからでした。
期待していた以上に得られたものが多く、
心から受講してよかったと感じます。

妊婦さんのためのやさしいヨガのポーズはもちろん、
妊娠~出産のしくみ、
分泌されるホルモンとその効果(副作用)
などマタニティにまつわる基本の知識を多く学びました。
理論・根っこの部分を大切にした講座であることが、
納得感につながっています。

このコラムでは、
マタニティヨガ講座を通してわたしが得た2つのポイントについて
アウトプットしたいと思います。

◆からだへの理解が深まったこと

◆すべての子どもを持つひとと、自分自身への
【やさしさ】が深まったこと

全4回の講座に通った1か月の間で、
わたし自身の心のあり方にもよい変化があったので、
この場をお借りしてシェアしたいと思います。

からだへの理解が深まったこと

自分のからだのこと。
知っているようで、実はよくわからないことの方が多いと感じます。

マタニティに関わることでいうと、
1回の月経サイクルで、体内ではどんな変化が起きているのか。
妊娠中に分泌されるホルモンとその効果はどんなものか。
陣痛ってどんな痛みで、どれくらい続くものなのか。

少し考えてみただけでも、
知らないことだらけなことに気がつきます。

振り返ってみると、
インターネットの情報や周囲の体験談から、
なんとなく「こういうもの」というイメージはあるものの、
体系的な知識として学ぶ場は少なかった気がします。
(現に、日本は「性教育後進国」とも言われており、
自分から正しい知識を求めに行かない限りは「知らない」状態がある意味スタンダードともいえそうです。)

マタニティヨガ講座の中では、
妊娠~出産時の女性のからだの中で起きていることを体系的に勉強します。

わたしが特に驚いたのは、
妊娠の維持に寄与するホルモンや
分娩を助けるためのホルモンが、
妊娠中の不調の一因になっていること。
また、ストレスがかかると必要なホルモンの分泌が阻害されてしまうこと。

これまでなんとなく聞いたことのあった、
妊娠中~産後の不調には科学的な根拠があったのだとわかり、人体の不思議を感じました。
そして、これだけ大きな心身の変化に耐えている
すべての女性に拍手を送りたい気持ちになりました。

マタニティヨガは、そんな心身の大きな変化を迎えている女性自身が、筋力や健康を維持するために行うヨガです。
お腹の赤ちゃんのために日々頑張っている方が、
意識的に自分のからだに目を向ける時間でもあります。

マタニティヨガ講座を受講して
からだへの理解が一段階深まったからこそお伝えできることを
今後ヨガクラスを通じて発信していきたいです。

自分と、すべての子どもを持つひとへの【やさしさ】が深まったこと

マタニティヨガ講座では、
教科書には載っていない妊娠・出産に関わる様々な体験談を
講師のMayu先生や受講生の皆様から伺う機会がありました。
この体験談を聞けたことは、わたしの中で貴重な財産となっています。

妊娠・出産に関わることは、教科書的な傾向に収まらないことも多く、
人の数だけストーリーがあります。
もちろん頭ではわかっていたつもりでしたが、いざ具体的な体験談を伺うと
「そんなケースもあるのか!」と驚くこともたくさん。
マタニティクラスを開催する際は、
通常クラス以上に個々の体調に気を配る必要を感じました。

そんな体験談のひとつに
「こどもを生かすことに必死で”かわいい”という気持ちが芽生えず、
自分は母親に向いていなかったのか…と落ち込んだ時期があった」
というものがありました。

「”かわいい”と思えない」

これだけ切り取ってしまうと、
如何にも”よくないこと”のように捉えられてしまいそうです。
しかし、このお母さんは
目の前の小さな命を生かすために、
妊娠~出産を経て大きく変化した心身でもって
必死にお世話をしていたのです。
その気持ちは、まずはそのまま肯定されるべきなのではないか?と思いました。

そのままの気持ち(弱音や疲れなど)を表現することができない背景には、
日本の「お母さん」ひいては「女性」に対する社会規範が原因にあるように思います。

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わたしはこのお母さんの体験談を聞いて、
自分の中の”ある想い”と重なる気がして、深く共感しました。

それは「【子どもがほしい】という気持ちがわからない」ということでした。
(これを言葉にすることも、”よくないこと”のような気がして、これまであまり人に話したこともありませんでした。)

”産める”性として生まれて、女性として違和感なく過ごしてきましたが、
【子どもがほしい】という気持ちについてはずっとわからないままでした。

子どもってかわいい、おもしろい、ということには共感しますし、
友人が妊娠・出産したら、心から「おめでとう!!おつかれさま!!」と最大限の祝福を送ります。
でも、【子どもがほしい】というのがどんな気持ちなのか、根本的にわからないのです。
その気持ちが湧いてこないわたしは、
何か人間として大切なものが欠落しているような気がしていました。

その気持ちをわかりたい一心で、
妊娠や出産、子育てをされている方の体験談を手当たり次第に読み漁ったこともあります。
でも、10年以上様々な記事を読み続けても、
【子どもがほしい】ことは当たり前で、前提で。
答えはどこにも書いてありませんでした。

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今回の講座で、あるお母さんの体験談を聞いたとき、
わたしは目が覚めるような想いがしました。

「”かわいい”と思えない」気持ちも、まずはそのまま受け止めてあげていいんですよ。

彼女に対してそう思ったのと同じように、
「【子どもがほしい】がわからない」わたしのことも、
そのまま受け止めてあげてもいいのではないか、
と初めて気がついたのです。

わたしはこれまで「【子どもがほしい】という気持ちが芽生えないこと」は社会規範に反している(気がする)から、
自分の気持ちは否定されなければいけないのだと思い込んでいました。
でも、実はそんなことはありませんでした。

自分自身を否定するのではなく、
そのままの気持ちを肯定してあげることの方がずっと大事だったことにようやく気がつきました。

(今の自分を認める、肯定するってとてもヨガ的な考え方だなあと思います。
長年否定してきた気持ちを自分自身で受け容れてあげることで、とても気持ちが軽くなった想いがしました。)

誰かの気持ちを大切に思うように、自分の気持ちも大切にしていいのだ。
そう思えたとき、一段と、周囲の人に対してやさしい気持ちが溢れてきました。

 

なぜマタニティヨガ指導者講座を受講したのか、そしてこれからのわたし

ここまで読んできて、
【子どもがほしい】がわからない人がなぜマタニティヨガ講座を受けたの?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

わたしは前述の通り、人が子どもを持ちたいと思う理由を求めて、
10年以上、体験談や文献を読んだり、自身で考えを巡らせたりしてきました。
その期間の中でわたしが求める答えは見つからなかったけれど、
その代わりに得たものがありました。

それが、妊娠・出産・子育てのリアルな体験談を数多く知ったことでした。
妊娠や出産が無事に経過することがどれだけ奇跡的なことか、
その先に続く子育ての日々…など
体験談を読むほどに、具体的に想像ができるようになっていきました。
(個人の体験ブログやエッセイ、書籍が充実している時代でよかった!)

様々な事例を知るほど、お子さんを持つ選択をした人(特に女性)への尊敬の念が溢れ、
彼女たちを応援したいという想いがふつふつと湧いてきました。

その想いを持つ一方で、ヨガに出会い、マタニティヨガというものがあることを知り、
実はRYT200を取得したいと思った入口は、
マタニティヨガ指導者の勉強をしてみたいという想いだったのかもしれません。

マタニティヨガについて学んだ今、
妊婦さんに対してより一層のやさしい気持ちが溢れています。
じっくりと準備をしつつ、クラスをお届けできる日を楽しみに頑張ります。

素敵な講座を提供してくださっているMayu先生に、
心からの感謝を込めて。

そしてわたしのコラムをここまでお読みくださった全ての皆様に心より感謝いたします。
皆様が健やかで、穏やかな日々を過ごせますように。

 

SHRI YOGA SCHOOL 卒業生
Fuyumi

ヨガスタジオ週5通いを経て、RYT200講座修了。
自身の感覚と向き合えるヨガの魅力をお伝えしています。
「書×ヨガ」をテーマに発信中です。

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